織部釉の表面に不透明でつやの無い暗い緑色の膜ができる。
欠点の外観上の特徴
検査・試験方法
拡大鏡による目視観察。釉の耐酸性試験。釉の化学分析。
欠点の原因
織部釉の呈色の成分である銅が焼成中に揮発して、冷却中に釉表面に付着した。
焼成温度が低かったか焼成時間が短かったために釉が十分溶けていない。
基礎釉の組成が透明釉ではなく、マット釉などを調合した。
銅の配合量が多すぎた。
欠点の防止対策
表面に付着した銅は酸洗いすることで取り除くことができる。薄い塩酸に浸したのち、水洗いする。35%塩酸250mlを9~15リットルの水で希釈した液に1~2時間浸したのち、流水で洗い流す。
釉薬の焼成温度まで加熱して、1時間程度保持する。
釉の成分の化学分析を行い、透明釉の組成から外れていれば調合を透明釉に変える。
その他
冷却速度が遅いと被膜はできやすい。
銅は揮発しやすいので過剰に添加しがちだが、添加量が多いほど被膜ができやすい。
酸洗いする希塩酸の濃度や洗浄時間は厳密なものではない。
酸洗いする前に半日ほど水に漬けておくと水洗いしやすい。